仕方ないしーなメモ

　最近の『魔法少女まどか☆マギカ』を見ていると、アンソロジーやギャグマンガ、スピンアウトなどは今も盛んに発表されているものの、原作自体の進展は新編以来ほぼ途絶えてしまっている（先頃開催された「MADOGATARI展」で何か動きがあったという話は見かけたけれど）。正直なところを言えばそろそろ原作に連なる新たな物語が欲しい。はっきり言って飢えている。特にまどほむ分に。まどほむください。だがちょうどそんなところへこの『魔法少女まどか☆マギカ[魔獣編]』は燦然と現れた。アニメと新編の間にあるはずの語られなかった物語。ミッシングリンクを繋ぐ魔法少女たちの物語。これがwktkせずにいられようか。先輩面してドヤ顔しているマミさんがまた見られる。安定のケンカップルのキュゥべえも喰わない痴話喧嘩がまた見られる。これが滾らずにいられようか。

　『魔獣編』1巻の前半ではさやか、マミ、杏子という信号機トリオの活躍が語られている。魔獣との息つく間もないバトル。意見の相違を巡る魔法少女同士の確執。それらが原作コミカライズも担当したハノカゲ氏の手により溌剌と描かれる。そしてアニメのエピローグでも描かれたマミさんが伝説の名台詞を発したあの場面を経て、物語のバトンはほむらへと引き継がれる。魔法少女の秘密を、世界の理を今や唯一知る存在であるほむら。そのほむらがどのような経緯で劇場版新編のほむらへとたどり着くのか。一体どんな悲しみや苦しみがほむらを襲い、ほむらを追い詰めるのか。今は話の続きを座して待つしかないが、きっと読むのも居たたまれなくなるような出来事がほむらを、また他の魔法少女たちを待ち受けていることだろう。

　また、アニメでは終ぞ知ることのなかった魔獣の強さがわかるのも『魔獣編』の特徴だと思う。アニメでちょろっとだけ出てきた魔獣を見て今まで単なるやっつけの雑魚キャラだと思っていてごめんなさい。

【出典】
・著・ハノカゲ、原案・Magica Quartet　『魔法少女まどか☆マギカ[魔獣編]』第1巻、芳文社<まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ>、2015/12/27発行
・ハチャ→作者のサイト。

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