仕方ないしーなメモ

　前作『恋愛3次元デビュー』で独身時代に築いた数々の黒歴史？　武勇伝？　を披露してくれたカザマさんの結婚生活。さぞおもしろおかしい毎日を送っていらっしゃるに違いないと思って読み始めたら想像以上にぶっ飛んでいた。メイドロボに嫉妬してガチ泣きしたり、旦那に（二次元的な意味で）エロい方面に調教されたり、ケーキを擬人化してその味や見た目を卑猥な言葉で評してみたり、旦那とその男友達をカップリングしたり。カザマ先生が紺野先生とともに刻む新たな伝説は枚挙に暇がない。しかもそれがただおもしろいだけでなく、お互いの価値観や性癖の違いを尊重したり擦り合わせたり新たな楽しみを見出したり、趣味が合い過ぎることの苦労を教えてくれたりと、ところどころいい話になっているところがなんか悔しい。まったくなんてお似合いの夫婦だろう。前作もそうだったけれど、今作も抱腹絶倒の壮大なのろけ話だった。各話末尾の「夫コメント」で紺野さんがカザマさんと好対照の冷静さとあふれ出るヘンタイさを披露してくれているのがまた何とも言えず素晴らしい。

　結婚して落ち着くどころか嫁の天然芸と夫の変態性にますます磨きがかかった今作。あとがきによるとこの本の発売と前後して夫妻に第一子が誕生するそうなので、ご出産のお祝い代わりに1冊いかがでしょうか。

【出典】
・カザマアヤミ　『嫁いでもオタクです。』　 双葉社、2015/10/11発行
・新刊情報→試し読みあり
・ザマログ→作者のサイト

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