台湾で食べ歩きしたいわん2015~台北(士林夜市、遼寧夜市、寧夏夜市)、台南、平渓線&なぐもカレー部『赤城さんの台湾食べある紀行・前編』的聖地巡礼~
「台湾に行きたいわん」と言い続けて1年。2009年12月、2014年1月に続く3回目の訪台となる今回はちょうど同人サークル「なぐもカレー部」の『赤城さんの台湾食べある紀行・前編』(感想)を読んだ直後ということもあり、触発される形で台湾での食べ歩きに重きを置くことにした。なにしろ台湾へ行くことにしたものの特に目的があったわけではなかったもので……!
そうだ、台湾行こう。台湾ほど気軽に行ける海外はないと思う。航空券と宿泊施設の手配は日本からネットででき、現地で迷ったらスマホを使えばたいていのことは解決するなど、ネットとスマホの普及が台湾ひとり旅のハードルを確実に低くくしている。また台湾は日本と同じ漢字圏であるため筆談で簡単な意思の疎通ができること、片言を含めれば日本語を使える人が多いこと、なによりもみな親切なので困っていれば何かと助けてくれることなど、言葉が話せなくても何とかなってしまうという土壌が昔からあった。日本のお隣にあり、冬でもわりと暖かく、食べ物が旨い。もはや台湾へ行かない理由はないぐらいである(航空機が苦手、独特のスパイスが苦手といったことがなければ)。そんなわけで去年に引き続き、2015年1月末の今回も台湾へ行くことにしたのだった。
前述のとおり3回目の台湾となる今回は台北とその夜市(士林夜市、遼寧夜市、寧夏夜市)、及び、台南、平渓線を巡り、前回までよりも食べることを意識的に多くしている。以降ではその食べ歩き紀行を日を追って綴っていく。前回の台湾一周や現地でのツイートまとめ(togetter)と内容が被るものは割愛している。
また、『赤城さんの台湾食べある紀行・前編』(以下、略記する場合は『赤城さん』)で紹介されているところ、いわゆる『赤城さんの台湾食べある紀行・前編』的聖地はその旨を明記した。なお、『赤城さん』では台北の他に九份にも行っているが、九份は前回の台湾一周の際に行ったため今回は行っていない。
★主な旅程
主な旅程は以下のとおり。台湾内での移動は鉄道または路線バスを使った。
1/25(日):成田空港→(中華航空)→台北・桃園国際空港→(國光客運バス)→台北(士林夜市)
1/26(月):台北→(台湾高鐵)→台南→(台湾高鐵)→台北→(遼寧夜市)
1/27(火):台北→(台湾鐵道)→瑞芳(乗換)→(平渓線)→十分、平渓→(指南客運バス)→深坑→(指南客運バス)→木柵(捷運)→台北(寧夏夜市)
1/28(水):台北→中正紀念堂→(國光客運バス)→桃園国際空港→(中華航空)→成田空港
★2015年1月25日(日):1日目 1年ぶり3回目の台湾
台湾へは成田空港を9時半に出発する便で行った。手続き等を考慮すると早起きが必須になるが、午後一には台湾の桃園国際空港に着くため到着初日を有効に活用できるという利点がある。
今回ガイドブックは以下の4冊を持って行った。
・なぐも。 『かんこれ食べ歩きシリーズ4 赤城さんの台湾食べある紀行・前編』 なぐもカレー部、2014/12/29発行
今回の旅の指南書。赤城さんを台湾食べ歩きの師匠と呼びたい。→本文サンプル、感想
・プラネットライブラリー編 『新個人旅行 台湾'09-'10』 昭文社、2008/7発行
毎度お馴染み、台湾全域をカバーする旅行ガイド。絶版。さすがに情報が古くなってきており、台南では罠にはまる一因となった。
・下川裕治、メディアポルタ編 『歩く台北2013-2014』 キョーハンブックス、2013/8/22発行
台北食べ歩きの必需品。発行が1年半前と比較的新しい本ではあるものの、建設中だった捷運が開通していたり中山地下街が延びていたりなどの違いがあり、とりもなおさず台北が生きた町であることの証左となっている。毎年8月頃に改訂版が発行され、最新は2014-2015年版。
・片倉佳史、石野真理 『食べる指さし会話帳4 台湾(台湾&中華料理)』 情報センター出版局、2003/5/22
食べる会話帳と普通の会話帳があるが、これは食べる方。食べない方は去年どこかで落としたらしい。
2015年1月31日(土)~2月1日(日)の2日間にわたって開催された同人イベント「Fancy Frontier 開拓動漫祭25」の告知ポスター(タペストリー)が中山北路ではためいていた。比較的近年になって作られた台北地下街にもオタク系のショップが軒を連ねているのを見るに、台北はオタクやオタク活動に寛容なのかもしれない。
台北の町並みに懐かしさを感じるのは単に1年ぶりだからというだけでもないと思う。
中山の林森公園には鳥居が建てられている。このような日本統治時代の名残は台湾の各地で今でも見ることができる。
『赤城さん』的聖地の1つ、中山の長春路沿いにある「京鼎楼」。公式サイトを見ると日本にも店舗があることがわかる。
聖地巡礼のお約束、『赤城さん』p.7と並べて記念撮影。
さあ! 食うぞ! と思ったら店が開いてない! 営業時間を見たところ夕方は17時からの営業となっていた。
どこかで時間を潰そうと思って適当に歩いていたところ、いい感じの魯肉飯店を発見。やっぱり台湾に来たら最初は魯肉飯でしょう! 1杯25元。店は京鼎楼から長春路を挟んだ向かいのビルの裏手通り(林森北路259巷)にある。
コンビニでペットボトルのお茶をゲットした。台湾で売っているペットボトルのお茶は基本的に砂糖が入っているため、無糖のお茶が欲しい場合は注意する必要がある。日式(日本式)の緑茶を選んでおけば多分大丈夫。
17時になるのを見計らって京鼎楼へ戻ると店の前には日本人の人集りができていた。さすが人気店というだけある。
地下1階の席に通されるとメニューを見るまでもなく小籠包を注文する。『赤城さん』で予習済みだからね。小籠包はせいろに10個入りで180元だったか190元だったか。総額では209元だった。
ほかほかの小籠包には肉汁がたっぷり詰まっている。冷めないうちに召し上がれ。そう言えば、台湾3回目にして小籠包を食べるのは初めてだったように思う。
聖地巡礼のお約束、『赤城さん』表紙と並べて記念撮影。さすがにせいろを抱え込んで食べたりはしませんw
京鼎楼の後は台北地下街経由で西門へ行くことにした。歩くと道のりでだいたい2.5km前後といったところ。
2000年に開業した台北地下街は市民大道の地下を台北車站(台北駅)から西に向かって伸びるショッピングモールで、多くの販売店や飲食店が軒を連ねている。マスコットキャラクターは白目のねこ。いっぱいいる。地下街を歩いているとあちらこちらでその姿を見ることができる。写真は『赤城さん』p.19で天龍ちゃんが「この壁絵かわいいな!」と言っていた壁絵で、かなり西の方、飲食店が並ぶ美食区のどこかにある。
台北地下街はオタク系のショップが集まっていることでも有名。書店、ゲーム、フィギュア、レンタルショーケースなど何でもある。
女僕喫茶(メイドカフェ)の立て看板。ここへ行けば「お帰りなさいませ、ご主人さま」と中国語で言われるっぽい? ということは台北住民になった気分に浸れるっぽい!
「沖縄で結婚式をあげました…♥」のセットが西の端にあった。なぜ沖縄。
台北地下街でも「Fancy Frontier 開拓動漫祭25」のポスターがあちらこちらに貼られていた。
台北地下街の西端は鏡貼りの広場になっていて若い人たちがダンスの練習をしていた。ここに限らず、姿が映るようなものがあり人通りに差し支えのない比較的広い場所ではたいてい踊っている人たちがいる。流行っているのだろうか。
台北地下街の西端から南へ下るとすぐに西門に辿り着く。西門では媽祖様をモデルにした看板娘の林默娘が迎えてくれる。
と最近まで思っていたが、今回これを書くに当たって改めて調べたところ、林默娘は『冥戦録』という台湾の作家が描いたマンガに登場するキャラクターだった。このマンガ、日本語訳して日本でも出版してくれませんかね?
日本でもお馴染みのanimate台北西門店。台湾と日本は外の空気は全然違うのに(台湾はだいたい五香粉の匂い)、animateなどオタク系ショップの中は同じ空気が流れていてある意味とても安心する。
西門でオタクビルとして有名な萬年商業大樓にも行ってみた。にこにーのねんどろいどが980元で売られていたが、1円3.5元の計算なら日本での売値とほぼ同じ金額になる。
西門を歩いていたら賑々しいトイレを発見! と思いきや、よく見るとレストランだった。Modern Toilet Restaurant(便所主題餐廳)は店構えといいメニューといいかなりユーモアの効いたレストランで、公式サイトの日本語での説明によると『Dr.スランプ』に着想を得たそう。どうりでソフトクリームがとぐろを巻いているわけだ。
Modern Toilet Restaurant(便所主題餐廳)のメニュー。「内痔出血便」とかもはやマジキチw(褒め言葉) 今回は入らなかったが、いずれ機会があったら試してみたい。
西門をぶらついているうちにいい時間になったので一路、士林夜市へ向かう。士林夜市へ西門から行く場合は捷運(MRT、地下鉄)を乗り継ぐ必要がある。まず板南線の南港展覧館方面行きに一駅乗って台北駅で降り、淡水信義線の淡水方面行きに乗り換えて劍潭駅で降りる。淡水信義線には士林駅もあるが、士林夜市の最寄り駅は士林ではなく1つ手前の劍潭なので注意が必要。
聖地巡礼のお約束、『赤城さん』p.25と並べて記念撮影。
『赤城さん』p.28で赤城さんたちが大量に買い込んでいたフルーツの屋台。
ゲームの屋台も多い。この屋台では雀牌を使ったゲームをやっていた。
腸詰めの屋台。すごく…大きいです…。
お寿司の屋台。にぎりが一律10元とは安い。
士林夜市を行き交う人々。夜市はこれまでに台北で3ヶ所、高雄と花蓮で1ヶ所ずつの計5ヶ所を見てきたけれど、規模も人の多さも士林夜市が一番だと思う。
『赤城さん』p.29で「臭いテロ必須」と紹介されている臭豆腐の専門店。臭豆腐の店や屋台は五香粉とはまた違う独特の臭いが漂っているので近づくとすぐにわかる。
同じく『赤城さん』p.29で「何か大事なモノ失うぞ」と紹介されている焼きカステラの専門店。すごく…大きいです…。
士林夜市での食べ歩き1つ目は串焼き。種類がいくつかあり、1本25元前後。店員の兄ちゃんお薦めの1本を含む3本を買って食べたところ、最初に食べた兄ちゃんお薦めの串がもっとも旨かった。さすが兄ちゃんがお薦めするだけある。
士林夜市での食べ歩き2つ目は店員さんのかわいさ……もとい、見た目のかわいさに釣られて買った熊手包。パンズが熊の手形をしたハンバーガーと言えば早いだろうか。中に挟む具はフィッシュ、チキンなどから選べる。65元。
士林夜市での食べ歩き3つ目は苺ジュース。試飲したら旨かったので。大中小のサイズがあり、小は35元。小と言いつつ量はかなりある。むしろ小にしておいてよかった。
士林夜市は食べ物やゲームだけでなく、衣料品や雑貨などの店も並んでいる。なにしろ広くて一度では回りきれないため何回行っても楽しめると思う。初めて台湾へ行ったときに夜市の雰囲気を味わうには最適の場所かもしれない。
★2015年1月26日(月):2日目 5年ぶりの台南と遼寧夜市
2日目は台南へ行くことにした。台南へは台湾高鐵(台湾新幹線)で行く。台湾高鐵には各駅に停まる「各站停車」といくつかの駅を飛ばす「直達」の2種類があるが、直達は台南には停まらないため、台南へ行く場合は各站停車に乗る必要がある。
朝ごはんは駅弁。80元。
高鐵で揺られること1時間43分で高鐵台南駅に到着した。相変わらず駅の周りには何もない。
2009年の年末に台南へ来たときは高鐵台南駅から台南の中心部である在来線の台南駅まで無料のシャトルバスが出ていたが、両駅を結ぶ鉄道・沙崙線が2011年初に開通したことに伴い廃止となっていた。2008年発行の『新個人旅行』にはもちろんそんなことは書いていないため、台南駅への行き方に若干戸惑うことに。
今後のために書いておくと、高鐵台南駅→在来線台南駅の移動には以下の方法がある。
1.興南交通のバスに乗る。無料。路線は2つ。いずれも台南駅へは行かないので適当な場所で降りる。他にも市バスが3路線ある。
2.高鐵台南駅に隣接の沙崙駅から沙崙線に乗る。台南まで直通、運賃は25元、所要時間は30分。本数は30分に1本程度。
3.在来線台南駅から高鐵台南駅へ行く場合は2の逆となる。高鐵台南駅に隣接の駅は「沙崙」という名前であることに注意。
今回は1の方法で台南中心部へと入った。バスを降りたのは延平郡王祠のところ。5年ぶりの台南は何もかも皆懐かしい。
延平郡王祠は17世紀の軍人・政治家である鄭成功を祀っている。入場無料。隣にある博物館は月曜休館。
延平郡王祠は日本統治時代に鄭成功を祭神とする神社だったことがあった。その名残は延平郡王祠の隣にある博物館の左脇に置かれた鳥居の上部分に見ることができる。特にこれといった掲示はなく、ただその存在が在りし日を語るだけである。
延平郡王祠の側にある鄭成功の石像。
小腹が空いたので鄭成功の視線の先にあった店で魯肉飯と白身魚の団子スープをいただいた。合わせて45元。店の女将さんは日本語が通じる。以前友人たちと来たときも路上で地図を眺めていたところを地元のおばさまが「駅行くの?」と日本語で話しかけてくれたことがあり、台南はわりと日本語が通じるという印象がある。
次に訪れたのはかつて台湾の最高行政機関が置かれていたという赤崁樓。入場料は大人50元。
赤崁樓は細部まで凝った意匠を見るのが楽しい。
赤崁樓から出て左に行ったところすぐにある、レトロな内装でも有名な赤崁擔仔麺で担仔麺をいただいた。台湾と言えば魯肉飯か担仔麺というぐらいには担仔麺が好きです。でも象さんは(ry。担仔麺とほうれん草炒めで合わせて90元。
その後は運動公園を経由して孔子廟としては台湾で最初に建てられたという台南孔子廟へ行った。入場料は大人25元。論語で有名な孔子を奉っているというだけあり、土産屋には学問にちなんだものが並んでいた。
台南孔子廟にあった狛犬の1体。お子さんを抱いていてかわいい。
台南は台湾で最も早く開けた土地の1つであり、かつて台湾の中心都市だったこともあった。台北にその座を譲った今では地方都市の1つとなったが、旧跡が多く、表通りも路地裏も趣のあるビルや家屋で溢れている。
日没に合わせて台南から台北へ戻ることにする。高鐵台南駅へは在来線台南駅から沙崙線で行った。
高鐵台南駅にあった五香粉の匂いが立ち込めるコンビニでメロンパンと缶コーヒーをゲットした。2つで45元。
コンビニで缶コーヒーに巻いてくれた熱さ避けの厚紙。マフラーを巻いた雪だるま(?)のイラストが描かれていてかわいい。って、冬でも10度を下回ることのない台湾ではマフラーも雪だるまも見かけないような?
台北へ戻るとすぐに遼寧夜市へ向かった。遼寧夜市は初めて台湾に来たときの初日に行った夜市であり、人生でも十指に入る強烈な体験をした場所でもある。やや大げさな表現をしたが、本当にあの体験がなかったらここまで台湾にはハマっていなかったと思う。
小腹が空いていたのでまずは魚を揚げたものとビーフンのスープをいただいた。これがフラグになっていようとは思うはずもなく……。気になるお値段は65元。
遼寧夜市は屋台よりも店舗が多い印象がある。その中の1つ、鵝肉城活海鮮は店頭に並べられた新鮮な魚介類をお好みで選ぶと煮たり焼いたりして出してくれる。
で、店員のおばちゃんに薦められるがままに選んだ結果がこれだよ! まさか海老が10尾も来ようとは。さらにまだこの後に魚が出て来ます。こちらは1人なんですが。
大きな海老が10尾も! おいしそう!(ヤケクソ)
海老が食べ頃になり、コンロの上には海老の代わりに魚の味噌汁が乗った。味噌汁に入っている魚は頭からの半分だけで、まだこの後に尾までの半分が煮魚となって出て来ます。
魚の味噌汁には野菜と豆腐がたっぷり入っている。おいしそう!(ヤケクソ)
煮魚キター! これで全部! こんなに食えるか!
もう、ゴールしてもいいよね。4分の1ぐらいを残してギブアップした。1人の時は食材を吟味して食べきれる量に抑えよう。ちぃ、覚えた。ちなみに全部で1,310元だった。明らかに食い過ぎです。
夜市からの帰りは腹ごなしに宿まで歩いて戻った。道のりで2kmぐらい。その途中、診療所のシャッターにマジンガーZが描かれているのを発見する。ここに限らず、シャッターには店と関係のないイラストが描かれていることが多い。
★2015年1月27日(火):3日目 平渓線と寧夏夜市
この日は平渓線沿線を巡ることにした。朝ごはんは捷運雙連駅を出てすぐそばの早餐店でいただいた。
台湾の朝は魯肉飯で始まる。それは日本で言うところの卵かけごはんに匹敵すると言っても過言ではないと思う。総菜は好きなものを指で示せば小皿に入れてくれる。魯肉飯は20元、総菜の小皿は10元。
平渓線は台北から台湾鐵道に乗って行き瑞芳で乗り換える。平渓線には一日乗車券(64元?)があり瑞芳駅の窓口で買うことができるが、往復したり3、4回は乗り降りしたりしないと元が取れないため、今回は使わなかった。
ちなみに瑞芳からは九份へ行く路線バスが出ている。『赤城さん』では台北の他に九份でも食べ歩きしているが、その交通ルートは明記されいない。だが、直前に台北駅へ行く描写があることから台湾鐵道と路線バスを使って瑞芳経由で行くルートを採ったものと思われる。
瑞芳から平渓線に乗って揺られること約30分で十分に到着した。平渓線の線路に面して伸びる老街が大変魅力的な町だ。
十分老街は線路に面しているどころか線路に侵食している。列車は1時間に1本しか走らないため、店員も観光客も普通に線路上で食べたり写真を撮ったり天燈を揚げたりしていた。
十分に着いてすぐ、ひっきりなしに空を上がっていく提灯が見られた。天燈というそれは平渓線の名物である。まさかここに来て実物を目にするまで存在を知らなかったとは言えない。
天燈は提灯の中で燃える燃料を動力源にして上昇する。小さな気球という趣き。
天燈には願いに応じていくつかの色がある。天燈を扱う店は何軒かあるが、どの店も単色は150元、4色版で200元。天燈を買った観光客は布地いっぱいに願い事を書き、紀念撮影をした後にやがて空へと放つ。
天燈が空へと放たれるところ。願いが叶うといいねえ。
十分の名所としては他に静安吊橋(めっちゃ揺れる)と、
十分瀑布(めっちゃ水滴飛んでる)がある。静安吊橋は十分駅のすぐ近く、十分瀑布は駅から歩いて15分ぐらいのところにある。
十分老街ではうどん的なものをいただいた。40元。店舗がほぼ露天になっていて食べている人が見えるというのは大いに食欲を刺激されるものだと思う。
十分から再び平渓線に乗って辿り着いたのは平渓老街。その町並みは坂が多く、何となく九份を彷彿とさせる。そう言えば平渓線沿いの町も九份もかつては炭鉱街だったそうで、相通じるものがあるのかもしれない。
平渓老街の郵便局の壁面には平渓老街を模した意匠が施されていた。線路がちゃんと線路でできているあたりに好感が持てる。
平渓老街にはなぜか駄菓子屋がいくつもあった。
平渓老街での食べ歩き1つ目は肉包。いわゆる肉まんで、中に肉団子が入っている。1個35元。
ところで、「平渓老街」は日本語では「平渓という古い町並み」という意味だそう。
路線バスまで時間があったので平渓老街での食べ歩き2つ目に挑戦。平渓老街は十分老街ほどの人出はないのになぜか行列のできている店が1つだけあった。その店で腸詰めを買って食べてみると確かに旨い。腸詰めは1本35元。他にも腸詰めの外側を大きめの腸詰めで包む大腸小腸何とかというメニューもあった。そちらは65元ぐらい。その大腸小腸を作るのに時間がかかるため行列ができてしまう模様。
平渓を後にして深坑へ行く。深坑へは指南客運795番の路線バスを使ったが、山道を走るバスはその車体を左右に大きく揺らし、吊革につかまっていても立つのが非常に難儀だった。
そうして辿り着いた深坑は豆腐の町として有名なところ。台湾で豆腐と言えばあの豆腐か!?
ガジュマルの樹がある広場から伸びたレンガ通りには豆腐屋を始めとした店や廟が並んでいる。写真ではわからないと思いますが、町中があの豆腐の匂いでいっぱいです。
樹のすぐ向かいにあった行列のできる豆腐屋は、想像とは異なるなにやらいい匂いを漂わせていた。
ふと看板を見ると有名人のサインがいくつも書かれていた。写真はそのうちの1つ。日付の「93年」は民国歴であり、民国93年は西暦2004年(閏年)に相当する。
豆腐を焼いているところ。豆腐の両面にひっきりなしに塗られるソースが焼けてはとても香ばしい匂いとなって人々を惹きつけている。
焼き上がった豆腐の間に野菜を挟んだり上に粉を振りかけたりして串焼香豆腐は完成する。野菜や粉は好みによって入れないこともできる。1本35元。超旨かった。
豆腐の後は深坑から再び路線バスに乗って木柵へ移動した。平渓~深坑間のバスは1時間に1本程度しかないが、深坑~木柵間は指南客運の660番と666番も使えるため1時間に3、4本と便がぐっとよくなる。
木柵からは眺めがよくてお茶が旨いという猫空に行くことも考えていたが、時折小雨の降る曇天で日も落ちていたため、猫空へ行くのは諦めて台北市街へ戻ることにした。木柵駅から捷運木柵線に乗り、忠孝復興駅で降りてSOGOの裏通りへ。
そうして辿り着いたのは和昌茶荘。高いお茶も値頃感のあるお茶も試飲して納得した上で茶葉を買えるため、台北へ来た際は必ず寄るようにしているお茶屋だ。今回3回目にして「前も来たでしょう?」と言われたのはちょっと嬉しい出来事だった(去年は「初めて?」と言われた)。
店内にはオウムがいる。この店に来て40年経つとか。
店主の淹れてくれたお茶で一服。この後滅茶苦茶飲まされた。
3日目の夜市として選んだのは寧夏夜市だった。捷運中山駅または雙連駅から西に500mほど歩いたところにある。出店が多く賑わっているのは雙連駅側(北側)の方。
寧夏夜市は小学校前の200mほどの道に沢山の屋台と食べ物が並んでいる。その中から最初に選んだのは肉とキノコと野菜のスープ、55元。本当は麺か米粉を入れたかったが何と言えばいいかわからなかっためそのまま食べた(後に、予め紙に書いておき注文時に伝えればいいと教えられる)。
寧夏夜市での食べ歩き2つ目は焼いたイカちゃん。90元。イカ1杯まるまるあるため量はかなり多い。
食べ歩きの〆はカレーにしてみた。75元。全然辛くないどころかむしろ甘いぐらいだったが、台湾のカレーはそういうものらしい。
★2015年1月28日(水):4日目 台北町歩き、そしてさよなら台湾また来る日まで
夕方の便で帰国を予定していたこの日は特に遠出したりはせず、中正紀念堂から台北車站の間を歩いただけだった。まずは捷運で中正紀念堂まで移動し、駅を出てすぐのところにある金峰魯肉飯へ行く。
台北の朝は魯肉飯から始まる。大事なことなので2回目を言いました。魯肉飯は中サイズで40元、青菜炒めは20元。
魯肉飯をいただいた後は中正紀念堂へ行った。見るのは2回目だし特に何かおもしろものがあるというわけではないけれど、とりあえずでかいなあと見上げる仕事をする。前回来たときは建物の中に入れたが、この日は工事中のようで中に入ることはできなかった。
台北の町は歩いているだけでワクワクするものに出くわすからおもしろい。
とある楽器店になにげなく貼られていたポスターには見たことのあるキャラクターがいた。
宿を引き払った後は捷運中山駅の近くにある四川料理の専門店、樺慶四川菜餐庁へ行った。日本から来たビジネスマンもよく愛用するというこの店、この日もスーツ姿の日本人グループが来店していた。
樺慶四川菜餐庁では麻婆豆腐と揚げパンをいただいた。全部で340元。値段的には日本国内の四川料理と同じぐらいか。なぜ白飯にしなかったのか少しだけ後悔した。
四川料理の後は台北地下街を少しだけ見て回り、14時過ぎに台北車站を出る國光客運バスで桃園国際空港へ移動した。台湾を一周した前回のように特に大きな目玉はなかったけれど、かつて行った町を再訪したりローカル線沿線を歩いたり夜市で食べ歩きしたりと充実した4日間だった。また近いうちに行きたいわん。拜拜(バイバイ)!
最後に行きと帰りの空飯を。行きはチキンで帰りはポーク。
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