仕方ないしーなメモ

　ほむらの時間遡行については何度ループしたのかとかどんな世界があったのかとか、原作でもTV版10話から窺い知れるのみでそれほど多く語られていない。前作の『暁美ほむらが転校したら鹿目まどかが死んでいた話』はその点に着目してほむらが転校したらまどかが死んでいたというifの世界、もしくは原作では語られなかった並行世界を見事に表現したマンガだった（なお、『暁美ほむらが～』は、最初に読んだときは「ほむらが時間遡行したらまどかが死んでいた」と勘違いしていたけれど、正しくは「ほむらが転校したらまどかが死んでいた」という設定だった。ほむらが時間遡行した時点でまどかが生きていたかいないかの違いはかなり大きい）。

　本作『アウトオブエデン』はほむらが時間遡行で去った後の世界という原作では描かれない部分をマンガ化したものとなっている。ドラ○もんでもドラ○ンボ○ルでも時間遡行の結果枝分かれした並行世界はそのまま続いていくというのが定説だ。本作ではほむらが時間遡行をしてもほむらがそれまでいた世界はそのまま続き、後にはほむらが「置いて行った」肉体だけが残される。そしてキュゥべえはほむらの抜け殻＝死体にご高説を垂れる、というのがこのマンガ。
　それにしても作者の着眼点といい、キュゥべえの語りといい、目を見張らずにはいられない。特にキュゥべえがほむらの死体に語りかけるその言葉もその仕草も原作や劇場版に輪をかけて不愉快極まりないものとなっている（※褒め言葉です）。もし、ほむらちゃんが生きていたら速攻で蜂の巣にされているレベル。ほむらちゃんが死んで動けないのをいいことにキュゥべえは好き放題に喋りまくるなんて。あんまりだよ！　こんなのってないよ！

　原作もそうだけれど、キュゥべえは何も間違ったことは言っていないんだよね。原作以上にキュゥべえらしいキュゥべえを見たい方には是非この本をお薦めしたい。

【出典】
・のび　『アウトオブエデン』　マクロノーム、2014/12/28発行
・もう恐16新刊だったけどC87サンプル→サンプル

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