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2014/02/23

徐々に姿を現しつつある魔王! ニケとククリのお気楽な冒険の行く末は如何に!? 衛藤ヒロユキ『魔法陣グルグル2』第2巻

『魔法陣グルグル2』第2巻

 キタの町でザザやミグといった懐かしい仲間を迎え、本格的な冒険物語として幕を開けた『魔法陣グルグル2』の第2巻。と思いきや、なぜかスタート地点のジミナ村に戻っている!?

 『魔法陣グルグル2』は前作と同様にRPGのお約束を踏襲している。移動は主に徒歩で、大陸間を移動するときは船に乗る。新しい町へ行けば「○○の町へようこそ!」という住民がいて、意味深な台詞を言う人物の登場により次なるイベントのフラグが立つ。イベントアイテムを使ったり用意したりすると何かが起こる。そういったお約束を踏まえつつも巧みに外してくるところがこのマンガのおもしろさの源泉で、2つの町をほんの数コマで移動してしまったり、「実際には3時間ほど歩いてる」と補足してみせたり、レベルが変な風に上がったりと枚挙に暇がない。そういった、ゲームのRPGだったら確実に守らないと成り立たないルールをマンガという媒体を利用して思いも寄らない方向に外し、それでも物語としてはつじつまが合っていて、かつ、おもしろい。もしかして作者は天才ではないだろうか(いまさら)。

 で、ジミナ村を旅立ち、キタの町でかつての仲間と合流したニケとククリは2巻では呪われた村へ行ったり呪われたり、海を渡ったり新しい仲間と出会ったりする。ところが、一読すると「そう言えば、ニケは勇者様として何かしただろうか?」という疑問が湧く。モンスターを倒したり事件を解決したりするのは勇者様以外の誰かで、勇者様であるはずのニケはククリを元気づけたりククリと相合い傘になってイチャコラしたりと世に言う「勇者」っぽいことはあまりしていないように見える。
 と思ったところで、ククリの大好きな勇者様は何か特殊な能力を持っていることでもみんなのヒーローでもなく、ククリにとって特別な存在、それが「勇者様」だったということを思い出した。はいはい、ごちそうさま。

 『魔法陣グルグル2』に描かれたニケとククリのお気楽な冒険を読んでいると前作をリアルタイムで追っていた者としてはただただ懐かしい(歳がバレる)。そしてただ懐かしいだけではなく、単に「強くてニューゲーム」ではないところにも本作の魅力があると思う。

【出典】
・衛藤ヒロユキ 『魔法陣グルグル2』第2巻、スクウェア・エニックス<ガンガンコミックスONLINE>、2014/2/22発行
魔法陣グルグル2 - 漫画 - ガンガンONLINE -SQUARE ENIX-

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