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2014/02/22

くちくか……セーラーふくもようのねこのこはなとごはんをかみしめるしあわせ。 藤沢カミヤ『ねこのこはな』第1巻

『ねこのこはな』

 猫という生き物はSFと親和性が高い。『夏への扉』とか。『ドラえもん』とか。「シュレディンガーの猫」とか(SFじゃない)。そんな猫SFの世界に綺羅星のごとく現れた『ねこのこはな』は、二足歩行で人語とスプーンを操りセーラー服(?)を着ている(?)猫の「こはな」とSF作家のあっちゃんが引っ越してきたボロ……趣のある星雲荘で送る日々を描いたマンガだ。

 なにこのかわいいいきもの。この一言に尽きる。とにかくこはながかわいい。もうただただひたすらこはながかわいい。ちっちゃいし。セーラー服模様(?)だし。猫耳だし。ちっちゃいし。しっぽがあるし。ちっちゃいし。ささかまで餌付けしたい。心ゆくまでなでまわしたい。一心不乱に猫耳をふにふにしたい。ぎゅーっと抱きしめてふこふこしたい。しっぽをぎゅっと握ってふにゃっとなったところをずっと愛でていたい。ともすれば犯罪まがいの欲望を抱いても大丈夫! だって猫だもの!←この人です。

 と、少し取り乱してしまったが、あっちゃんと買い物に行っておねだりをしたり、あっちゃんが仕事をしているときはひとりで遊んだりと、こはなの愛くるしい姿は見ていて飽きない。なにしろ猫なので人間の常識の枠にははまらない思考や言動もあり、それがいっそうこはなの愛らしさを引き立てている。なんだかんだでこはなの下僕として言うことを聞いてしまうあっちゃんの気持ちがとてもよくわかる。
 そして、こはなが送る楽しい日々をより楽しくしてくれるのが、星雲荘の管理人さんや野良猫の月光さんを始めとした星雲荘(の近く)の住人たちだ。特に日替わりでコスプレをしてはこはなとあっちゃんの部屋へ入り浸り、いつの間にか2人に混ざってごはんを食べ、こはなに無条件降伏な親愛の情を示す管理人さんは猫であるこはなに負けず劣らずマイペースな性格をしている。ゆかいな人々に囲まれてこはなはなんと幸せな猫だろう。

 こはながあっちゃんや管理人さんと食卓を囲んで幸せをかみしめ、読者はその幸せのお相伴に与る。『ねこのこはな』はそんなマンガだ。

 ところで、こはなの台詞はすべてひらがな時々カタカナのですます調だが語尾に「にゃ」を付けないあたりに作者のこだわりを感じる。あとサブタイトルはすべてSF小説をもじったものになっている。そして奇しくも今日は猫の日。

【出典】
・藤沢カミヤ 『ねこのこはな』第1巻、講談社<モーニングKC>、2014/2/21発行
ねこのこはな 藤沢カミヤ - モーニング・アフタヌーン・イブニング合同Webコミックサイト モアイ→『【第1作】 上弦の月を喰べる猫』の試し読みができる。カラーだ……!
Magnet Hill→作者のサイト。

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こはな改? それとも衣替え? いやいや夏毛です。ますます謎を深めるこはなの生態はさておき、夏のこはなもマブネコかわいい! 藤沢カミヤ『ねこのこはな』第2巻(2014/10/25追記)

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