仕方ないしーなメモ

　頭が悪かったためにお嬢様学校へ行けずギャルを目指すことにした若葉。毎回髪型やヘアアクセが違うおしゃれさんな恋多き少女・まお。眼鏡っ娘でボクっ娘で腐女子な柴。ゆるふわなのに他の3人が濃すぎてどこか影の薄い印象のあるモエ。そんなちょっと残念な4人が友達になり、誘い合わせて遊びに行ったりプールへ行ったり、文化祭を堪能したりして高校初年度の1年間が過ぎてゆく。

　帯にあるとおり『きんいろモザイク』の作者が描いているだけあって、ただかわいいだけではなくちゃんと4コママンガになっている。それには世間知らずで、『きんいろモザイク』の登場人物であるしのぶに輪をかけて強烈な個性の持ち主である若葉に負うところもあるが、他の3人が各々の持ち味を存分に活かして若葉に負けず劣らずボケ合っていることも大きい。4人がそれぞれにボケ、若葉以外の3人がそれぞれにツッコミを入れる。『わかば*ガール』のおもしろさの源泉はそんなところにあると思う。

　掲載誌の休刊により中断を余儀なくされながら描き下ろしの最終回を加えた形でこのマンガが世に出たことは僥倖だった。このマンガが始まりから1年経った同じ季節の同じ言葉で締められていることは、若葉たちの物語が今もどこかで続いていることを示唆しているようで長く余韻を引く。

【出典】
・原悠衣　『わかば*ガール』　芳文社<まんがタイムKRコミックス>、2013/10/26発行
・Hara*Rira→作者のブログ