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2013/10/27

憧れの女子大生はどんな生活を送っている? オゲ『女子大生生活様式』第1巻

『女子大生生活様式』第1巻

 同じアパートの2階に暮らす女子大生たちのありそうであまりなかった日常系4コママンガがこの『女子大生生活様式』だ。

 自称褒めて伸びるタイプのアホの子「ことね」、背も胸も大きいが怖がりな眼鏡っ娘の「こよ」、ぬいぐるみが大好きでゆるふわな外見のわりに自己主張は人一倍強いおさげさんの「ねね」。春から同じアパートの2階の並びで揃ってひとり暮らしを始め、同じ大学だったことを知った3人はすぐに仲良くなり、家でも大学でも時間が合えば一緒にいるようになる。
 真ん中だからという理由でこよの部屋に集まってだらだらしたり、同じ講義に出たり、カレーを作って一緒に食べたり、ぬいぐるみをもふもふしたり、オープンキャンパスで迷子になっている女子高生を助けたり、初詣をしたり、テスト勉強をしたり。大きな事件も起きず劇的なイベントも取り立ててないが、3人が淡々と女子大生ライフを送る様子はおそらく現実にいる多くの大学生と同じであり、そういう意味で3人の姿は等身大の大学生そのものなのだろう。

 何よりもこのマンガを特徴付けているのは、ことねもこよもねねも色恋沙汰とは(少なくとも1巻では)無縁なことだろう。3人ともに文学部であるため女子比率は高そうだが通っている大学自体は女子大ではないため、キャンパスを歩けば男子大学生がいるし講義室にも学食にも彼らはいる。3人ともにサークルには入っていないが、ねねはバイトをしているという描写がある。お年頃の女子大生が3人揃っていながら浮いた話が何1つない。
 かといって、彼女たちがいわゆる百合キャラかというと別にそういうわけでもない。こよにしなだれかかったり、ねねにじゃれついたりと、ことねには若干そのような様子が見られなくもないが、極度にベタついているわけではなく、単に対人距離が近いだけのように見える。
 そして、家族の話や過去の話も今のところはほとんどない。普通の女子大生の生活を描いているようでいてどこかファンタジーであるかのような印象を受けるのは、そういったところにあるのではないかと思う。繰り返しになるが、それがこのマンガの特徴であり、おもしろいところだ。

 巻末の初出一覧によれば、『女子大生生活様式』はほぼ掲載誌の出版時期に合わせて作中の時間が流れている。1巻ではことね、こよ、ねねの3人が出会うところから始まり、2年生になって後輩を迎え入れるまでが描かれているが、このペースで進めば3巻で就職活動に奮闘し4巻で卒論に挑む姿が見られるのかもしれない。そんな3人を見てみたい気もするし、見られなくてもいいという気もする。生活臭はするのに生々しさはそれほど求めたくない。そんな身勝手でわがままな要求に応えてくれるのがこの『女子大生生活様式』というマンガなのではないかと思う。

【出典】
・オゲ 『女子大生生活様式』第1巻、芳文社<まんがタイムKRコミックス>、2013/10/26発行
春色毛布→作者のサイト

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