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2013/08/25

これぞボーイ・ミーツ・ガール! 都会っ子の少年と田舎っ子の少女とのひと夏の交流を描いた、くみちょうBOX『また君に会える。』

くみちょうBOX『また君に会える。』

 田舎へ遊びに行ったとき、現地限定の友だちがいたり、タイミングを合わせて集まってくるいとこがいたり、普段思い出すことはあまりないけれど、確かに存在している大切な人たち。サークル「くみちょうBOX」の『また君に会える。』は帰省する両親に連れられて高知を訪れた都会っ子の少年と高知に生きる田舎っ子の少女とのひと夏の交流を描いたマンガだ。

 信太は東京に住み、デスニーランドにも行ったことのある小学6年生の男の子。理帆は高知に住み、高知弁を話す小学5年生の女の子。気恥ずかしいのだろう、そろそろ男女入り混じっては遊ばなくなる年頃になった地元の少年たちに理帆は拒まれ、たまたま理帆の隣家である親戚宅へ信太は滞在していたことから、信太の両親にけしかけられるような形で2人は一緒に遊ぶようになる。海へ行ったり何かを採ったり、2人がたわいのない遊びをする姿は微笑ましく、同時にどこか切なさを感じさせる。そう思うのは物語を通じて2人を追いかける自分がもういい年をした大人で、終わらない夏休みなどないことをその身を以て知っているからだろうか。

 田舎で出会った友だちやいとこと別れてしばらくは今頃彼らが何をしているかをしばしば考える。2、3ヶ月が経って季節が変わる頃には時折思い出すくらいに記憶は薄れる。そして1年後あるいは数年後、ちょっと成長した彼ら彼女らと久しぶりに顔を合わせると、照れくさくって気恥ずかしくって、でも数瞬の後にはいつもどおりになっている。そういった子どもの時代にしかできない経験を追体験できる、夏休みは終わりがあるからいいと思わせる、『また君に会える。』はそんな1冊だった。

【出典】
・くみちょう 『また君に会える。』 くみちょうBOX、2013年
組長BOX→作者のサイト

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