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2013/08/20

ずっと前から好きだった男の子に恋愛相談を持ちかけられた女の子が取った行動は。花苺『bitter』

『bitter』

 主人公が女の子の方なんですけど、保育園の頃からずっと好きだった男の子に好きな人ができたと告げられたときのオーバーリアクションとか、相手の呼び方を間違えてからの一連の出来事とか、もういちいち初々しくていちいちかわいくていちいちもだもだしくていちいち不憫で(精神の均衡が保てそうにないという意味で)読むに耐えないので、もう帰っていいですか。

 ということで、大きなお友達向けにジェノサイド級の少女マンガ的イチャラブコメディを描くことに定評のあるサークル「花苺」のC84新刊『bitter』は、ずっと好きだった幼なじみの少年に恋愛相談を持ちかけられた少女の話だ。定評があると書いたが、実際にこのサークルを知ったのは去年の冬、C83で、たまたまスペースの前を通りかかってそのときの新刊の表紙を見て何となく気になって本をパラパラめくってそのとき並んでいた既刊を含め全て買って帰って読んだ程度なので、にわかもいいところである。ちなみに、確かそのときは新刊と既刊合わせて全部で7、8冊あったと思うが、1冊だけ年齢制限のないマンガがあり、売り子のお兄さんに「これだけ一般向けですけど、よろしいですか?」と聞かれたことを今でも覚えている。何で聞かれたんだろう。

 で、その『bitter』はまず表紙がいい。夏の風物詩と言えば夜空に咲く大輪の花火。その花火を背に振り返り手を差し出す少女。その先には思い人である少年がいるのか。でもその少年は好きな相手がいる。じゃあ誰なのか? 少女が浴衣ではなく制服なのは学校帰りだからか。学校帰りの恋愛相談を口実に少年を花火へ誘い出したのか。でもその少年は好きな相手が…。じゃあ少女の視線の先にいるのは誰? え、なにこれ、表紙からの想像だけでごはん3杯はいける。表紙だけでもごはん3杯なのに、50ページ近いマンガを読み通すにはごはんが何杯必要なのか? 想像するだに恐ろしい。まったく作者は読者にごはんを食べさせるのがうまい。ごはん星人かなんかなの?

 そういうわけで、表紙からの想像でまんまと喰わされたごはんは本編を読んで床を萌え転がることでうまく消費するようにできている。世界はそういうふうに回っている、と思わず世の中の仕組みにまで思いを馳せたくなるような、『bitter』はそんな1冊だった。え、そういうマンガだっけ?

【出典】
・ハナイチコ 『bitter』 花苺、2013年→年齢制限あり
花苺の(仮)→サークル「花苺」のブログ

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