仕方ないしーなメモ

　登場する3人の魔法少女、ヤマト、クロネコ、かよにそれぞれ味方するマスコットの名前はマッパ、シリアナ、パンモロ。ヤマトの変身アイテムである魔法の杖はマッパの＊からぶっこ抜く。魔法少女たちは魔法の力で変身しておきながら必殺技は球技による力業。
　全ての宇宙、過去と未来の全ての魔法少女は、ときに小憎らしいほどかわいい姿と名前のマスコットを引き連れ、年端もいかない女の子から大きなお友達までをも虜にするカッコかわいい魔法グッズを携え、程度の差こそあれ愛と勇気と希望の名のもとに魔法を駆使して敵と戦っている。そういった魔女っ子もののお約束を逆手に取り、既存の魔法少女の概念を某鬱魔法少女アニメとはまた違った形で打ち破ったマンガがこの『燃焼系魔法少女やまとなめてお』だ。

　年々増加の一途を辿る隕石の襲来から地球を守るため、空から降ってきた妖精のマッパと契約して魔法少女となった一本気大和。幼少のみぎりより父親から打者としてのスパルタ教育を受け、地元の草野球チームでその才能を遺憾なく発揮していたものの普通の中学生に過ぎなかった大和が、魔法少女ヤマトとして隕石退治を行うためにその野球の才を活かすことを選んだのは決して偶然ではないだろう。クロネコとかよが各々得意なサッカーとテニスを武器にときにヤマトのライバルとして、ときにヤマトの協力者としてヤマトの前に現れたことも、方向は違えど同じ球の道を志す者としてヤマトに共鳴したからに他ならない。いつしか3人の間には友情を超えた恋慕の情が芽生え、魔法少女ものの薄い本によくあるような展開が……。
　といったような勝手な解釈と想像でweb連載されていたマンガを毎月楽しみに読んでいたが、大人の事情により短期連載で結末を迎えたことはただひたすらに残念である。単行本の巻末に書き下ろされた次回予告が現実になる日がただただ待ち遠しい。

　ところで、タイトルの「やまとなめてお」は一般的には「やまと／な／めてお」だが、ちょっと変えると「やまと／なめて／お」と切ることもできると思うのは考えすぎだろうか。

【出典】
・まいたけ　『燃焼系魔法少女やまとなめてお』　マッグガーデン<ブレイドコミックス>、2013年
・燃焼系魔法少女やまとなめてお - マッグガーデン・コミック・オンライン

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