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2013/07/23

乳者様と乳者様に恋するみつあみ魔法少女ククリの冒険活劇再び 『魔法陣グルグル2』第1巻

『魔法陣グルグル2』第1巻

 ククリの持っている杖と靴底に「KKR」と名前が入っているのはククリのさりげないおしゃれなのか。

 『魔法陣グルグル』の第1巻が刊行されたのはバブルの残滓がまだそこかしこに見られた1993年の夏だった。16歳の朝お母さんに起こされて旅立った勇者が、王様に謁見したり村人に話を聞いたり仲間を集めたりボスを倒したり特殊なアイテムを取ったりしながら、1本道のストーリーを進める。そんなイベントドリブン形式のRPGはその頃でも既にやや古びた印象があったが、『魔法陣グルグル』はその手のRPGを踏襲しつつもお約束を地味に外したりイベントフラグをへし折ったり斜め上の方向へ話が展開したり、ぐだぐだなのかと思いきや10年の連載を経てククリの恋を絡めつつちゃんとラスボスを倒して完結したりと、高度なギャグと意外性を秘めた冒険活劇になっていた。
 そして完結から10年、『魔法陣グルグル』が『魔法陣グルグル2』として帰ってきた。いわば「平成版魔法陣グルグル」とも言うべき『魔法陣グルグル2』で、またもや成り行きで魔王退治の旅に出ることになった勇者ニケとおなじみのだっさいローブを着たみつあみお下げのグルグル使いククリの冒険が再び見られる日が来ようとは、妙齢のおっさんからすれば「何もかも皆懐かしい」という言葉を残して今精根尽き果てたとしても悔いはない気分である。あ、1993年は既に平成だったので「21世紀版魔法陣グルグル」と言った方がいいか(どうでもいい)。それに『グルグル2』のククリは言うほどださくない。勇者様に見せるためのローブが決まらずに冒険をお休みするククリの姿は、すっかり色気づいちゃってこの子は……と娘の成長に喜びを感じさせつつも、俺の目が黒いうちはどこの勇者の骨ともわからないような男に娘はやれん! でもいつかは俺の元から勇者とともに旅立つんだろうなあ……と一抹の寂しさを抱かせる。あれ? いつの間にやらすっかりククリのお父さん視点になっていますよ? まあ、『グルグル』1巻から20年も経っていれば仕方がないよねっ。……『グルグル』1巻ではそれほど年が離れていなかったはずなんだけどなあ。

 旧『グルグル』のテイストを色濃く残しつつ、最近の流行りを的確に押さえて今風の物語になった『魔法陣グルグル2』。勇者様に恋するみつあみ魔法少女ククリとイベントフラグどころかいつかククリのフラグまでへし折るのではないかと気が気ではない勇者様の冒険はまだ始まったばかりだ!

【出典】
・衛藤ヒロユキ 『魔法陣グルグル2』第1巻、スクウェア・エニックス<ガンガンコミックスONLINE>、2013年
魔法陣グルグル2 - 漫画 - ガンガンONLINE -SQUARE ENIX-

【関連記事】
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