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2013/06/19

黒髪タレ目ちゃんとイマドキJK風ツリ目ちゃんの幼なじみ2人とボーイッシュな先生がトライアングル切ない! 『センチメンタルダスト』

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 黒髪タレ目の主人公あゆと明るい髪色をしたイマドキ風の容姿を持つひーちゃんは家が隣同士の幼なじみで幼稚園から中学校まで一緒に過ごしてきた。その2人が同じ高校に行こうと約束し、ひーちゃんの方からあゆに歩み寄ったとき、「ずっと友だち」としてその時を止めてしまう。しかし、あゆとひーちゃんが高校で出会った同級生りんちゃんが常に閉じていたその糸目を開くとき、2人の時間は再び動き始める――。

 アホの子りんちゃんにもっと幼なじみ2人ともっと絡んで欲しくて少し改変した。後悔はしていない。

 本筋に戻ると。ずっと一緒にいる同性の幼なじみからその想いを打ち明けられたとき、それが行動を伴うものであればその本気度合いが知れるというもの。そこに経験値の高いよき理解者が現れ、どちらかに揺さぶりがかけられれば、その2人の関係に楔を打ち込むことはそれほど難しいことではなかったのだろう。
 『センチメンタルダスト』で描かれている幼なじみ2人は互いに互いをもっとも大切に思い、とても距離が近いことを知っている。それゆえに今の関係を壊せない。この辺りは同性でも異性でもあまり関係はなく、幼なじみ特有の機微というやつなのかもしれない。それでもひーちゃんは中学の卒業という節目を機にあゆに一歩近づこうとし、逆にあゆはそれまでの距離感にこだわった。ちょっとしたタイミングの差で変えられなかった関係は、第三者でありこれまた同性でもある音楽教師の介入によって2人が意図しなかった形へと変えられてしまう。好意、葛藤、後悔、それに伴う泣き顔。2人の物語がその後どういう結末を迎えるかはここには書かないけれど、定番とも言える幼なじみの恋物語を1冊で描くには展開が若干早く感じるという意味ともっと読み続けていたいという意味でやや少なかったかもしれない。

 ところで、乾りんちゃんが主役の番外編はまだですか。

【出典】
・河合朗 『センチメンタルダスト』 一迅社<百合姫コミックス>、2013年

【関連記事】
年齢も時代も生きる背景も異なるさまざまな少女たちが、恋した彼女に求めたものとは。 河合朗『未完成ガール』(2014/7/19)

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