« 「理想の二次元嫁」を描くことに血道を上げる男子中学生が気になって気になって仕方ない女子中学生がジト目かわいい! 『この美術部には問題がある!』第1巻 | トップページ | 中卒労働者でも恋がしたい! 通信制高校を舞台にしたボーイ・ミーツ・ガール、『中卒労働者から始める高校生活』第1巻 »

2013/05/28

ハーレム化が進むそーちゃんと犬チック幼なじみが修羅場すぎる! 幼なじみ以上恋人未満の関係に変わる兆しが見え始めた『ぱわーおぶすまいる。』第2巻

『ぱわーおぶすまいる。』第2巻

 昨今のマンガや小説やアニメに見られる幼なじみの女の子と言えば、ぽっと出の宇宙人やフェイク彼女やネトゲ仲間にずっと想い続けてきた幼なじみの男の子を横取りされてしまう不憫な位置付けにいることが多い。その反・幼なじみともいうべき潮流に待ったをかけるべく、綺羅、星のごとく現れたのが『ぱわーおぶすまいる。』だった。これで幼なじみが勝つる! 全国1億2千万人の幼なじみスキーが宗馬と幼なじみであるまゆの勝利を確信していた。そう、今回出版された第2巻を読むまでは。

 高校1年生の「そーちゃん」こと宗馬とまゆは隣同士に住む幼なじみでクラスも一緒。1巻ではまゆを愛して止まない百合チックお嬢様の環、お好み焼き屋の娘で無表情系不思議ちゃんの観久(みく)、女の子が大好きな残念イケメンの景佑の3人と知り合い、知らず知らず宗馬とまゆの仲の良さが周知徹底されるまでが描かれていた。
 続きとなる2巻では兄である宗馬のことが大好きで兄とお揃いのアホ毛を持つ妹の宮乃と、宗馬とまゆのイチャイチャぶりを散々見せつけられてきたにも関わらず勇猛果敢に宗馬に接近するクラスメートの優白(やしろ)という2人の強力なライバルがまゆの前に現れる。のみならず、観久がまゆの目を盗んでは宗馬に対して実力行使をかけ、あまつさえ男嫌いのはずの環まで宗馬にツンデレる、という具合にそーちゃんハーレムが形成されてゆく。そんな状況にはさすがのまゆさんも黙ってはいられない。宗馬に近づく女の子に対抗心を燃やし、宗馬の手を取って頭なでなでを強要する。しかし、観久のとある行動がまゆを嫉妬に駆り立て、宗馬とまゆの仲良し幼なじみを思わぬ方向へ向かわせる。はたして宗馬とまゆは仲違いしたまま別々の道を歩むようになってしまうのか。

 それにしても、宗馬を取り巻く女の子にやきもちを焼き、間に割って入って邪魔をするような行動をしているのに、まだそれがどういう感情に因るものであるか明確には認識していないまゆの危うい感じが実にいい。それゆえにまゆは宗馬に無邪気に抱きつくし、バスタオル1枚の姿をさらしても裸じゃないから恥ずかしくないもん! なのだろう。
 それでもまゆは今まさに変わりつつある。自分が抱いた感情の正体を探ろうとし、幼なじみゆえに無条件に与えられていた関係の再構築を図ろうとする。恐らくまゆが宗馬との2人の関係を変えようと動くことになる日もそう遠くないのかもしれない。今のところはまゆよりも宗馬の方がまゆを単なる幼なじみとしてではなく1人の女の子として見ている度合いが大きいように思うけれど、きっと幼なじみという関係に終止符を打つのはまゆの方からではないか。そんな気がしてならない。

 ところで、環お嬢様が魔法少女になった姿である「まじかるプリンセスミルキィにゃんにゃん」の図解がジャケット下の表紙に描かれているが、必殺技の1つ「まじかる荷電粒子砲」が魔法なのに地磁気の影響を受けるという設定がシュールでたまらない。

【出典】
・ウロ 『ぱわーおぶすまいる。』第2巻、芳文社<まんがタイムKRコミックス>、2013年

« 「理想の二次元嫁」を描くことに血道を上げる男子中学生が気になって気になって仕方ない女子中学生がジト目かわいい! 『この美術部には問題がある!』第1巻 | トップページ | 中卒労働者でも恋がしたい! 通信制高校を舞台にしたボーイ・ミーツ・ガール、『中卒労働者から始める高校生活』第1巻 »

マンガ」カテゴリの記事

感想」カテゴリの記事

商業誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 「理想の二次元嫁」を描くことに血道を上げる男子中学生が気になって気になって仕方ない女子中学生がジト目かわいい! 『この美術部には問題がある!』第1巻 | トップページ | 中卒労働者でも恋がしたい! 通信制高校を舞台にしたボーイ・ミーツ・ガール、『中卒労働者から始める高校生活』第1巻 »

2022年12月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

twitter

最近の記事

無料ブログはココログ