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2013/05/10

超絶帯電少女ノエミちゃんが帯電体質かわいい! 乾燥ワカメ怪人と帯電少女のすこし・ふしぎなボーイ・ミーツ・ガールを描いた『クーロンフィーユ』第1巻

『クーロンフィーユ』第1巻

 『魔法遣いに大切なこと』では魔法が発達した社会で魔法遣いとして生きる少女たちのドラマを描き、『君と僕のアシアト~タイムトラベル春日研究所~』では記録映像を脳内に再生する擬似的なタイムトラベルで後悔に暮れる人々の再生の物語を描いた作者の手による、すこし・ふしぎなボーイ・ミーツ・ガール、『クーロンフィーユ』。その第1巻は衝撃的な展開で締められたため、1巻が出たばかりだというのに早くも2巻の登場が待たれる。

 物語は、生まれつきワカメのような頭髪を持つことから「乾燥ワカメ怪人」とあだ名され、奇異と忌諱の対象となっている15歳の少年・寛造が、生まれつき異常なほどの静電気を帯びているため人里離れた地で孤独に生きる14歳の少女・ノエミと出会ったことから始まる。由来は異なるものの結果的に「ひとりぼっち」という似たような境遇を持つ2人が出会い、お互いに興味を持ち、やがてお互いに影響し合ってそれぞれの境遇を変えていくのだろう、と想像できるところまではある意味ボーイ・ミーツ・ガールの王道とも言える。それぞれが抱える事情や過去の経緯は、寛造が主人公ゆえにかなり詳しく語られる一方で、ノエミはほんの一端だけしか開示されていない。ノエミの出生に何か秘密はあるのか? 弱冠14歳のノエミが(そもそもその体質のため電気製品を扱えないが)電気もない山奥でどうして1人で生きていけるのか? ノエミがなぜ今現在1人で生きるに至ったのか? なによりも、ノエミは自分自身で1人で生きることを選択したとはいえ、なぜ絶望もせず性格もゆがませずにいられるのか?(初対面の寛造にも物怖じせず、優しさを見せている。1人で暮らすゆえに世間擦れしていないとも言えるが、何らかの理由により感情が欠落しているという線も捨てきれない) 一方、父親の渡仏に伴い、寛造は父親の従妹の元へ身を寄せることになったが、旅館を営むその従妹には寛造と同世代の息子と娘がいる。1巻を見る限りではクズな性格をした兄・和人と寛造は折り合いを付けられるようになるのか? 幼い頃の記憶と現在の寛造を重ね見てなにやら複雑な心境を抱いている妹・ゆりえはどのように寛造に働きかけていくのか? このマンガが王道のまま突き進むのか、『君と僕のアシアト』で繰り広げたような想像だにできない神展開を見せてくれるのか。今後の展開を心待ちにしたい。

 ところで、寛造は某怪物ランドのプリンスのガールフレンドのように髪が自由自在に伸びたり縮んだり操ったりすることはできず、ただ単にワカメヘアというだけなので(今のところは)主人公としてはいささか地味な部類であるように思う。そこで、「クーロンフィーユ」(=クーロン娘、電荷少女?)のタイトルが示すとおり、ここはひとつ帯電体質かわいいノエミを主軸に据えるのはどうだろう。そうすれば、超絶帯電少女ノエミちゃんの超絶帯電体質かわいい活躍を余すところなくストーキンg……もとい、愛でることができるのに!

【出典】
・よしづきくみち 『クーロンフィーユ』第1巻、講談社<講談社コミックス マガジン>、2013年
感電死するほど君が好き。 よしづきくみち『クーロンフィーユ』第2巻→2巻の感想。(2013/10/10追記)
この広い空の下のどこかに君はいるから。 よしづきくみち『クーロンフィーユ』第3巻→3巻の感想。(2014/4/13追記)

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