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2013/04/02

SF(すこしふしぎ)なガール・ミーツ・ガールが詰まった『購買のプロキオン』

『購買のプロキオン』

 全天に21個ある一等星にはシリウスやベガ、アルタイルといった有名な星があるのに、学校内で購買でしか見かけない女子生徒の二つ名としてなぜプロキオンを選んだのでしょうか。わたし、気になります。

 と、最初は3月発売の新刊リストを眺めていてそのタイトルが気になり、実際に店頭に並んでいるのを見かけておそらく作中に登場するであろう女の子たちが見せる表情を散りばめた表紙が気になり、購入してからのここ数日は表題作の『購買のプロキオン』と『ゆびさきでスキップ』を何度となく読み返している。
 『購買のプロキオン』に収められた短編はいずれもある女の子がひょんなことからもう1人の女の子と出会い(あるいは再会し)、それまでとはちょっと違った関係になるまでを描いている。『購買のプロキオン』であれば生徒会長をしている主人公が購買の売り子の正体を暴こうとするところから始まるし、『ゆびさきでスキップ』であれば主人公が弾くピアノの音に映研の部長が釣られたというきっかけがある。
 ただ、百合マンガのレーベルから出ているものの百合か友情かでいうとなかなか決めがたい位置にいるとは思う。互いに互いを求めているとはいってもすごくイチャイチャしているというわけでもないし、でも互いに互いを強く求めていることはその馴れ初めも含めてすごくよく伝わってくる。
 そして、なぜだか何回も読み返しているわりにこのマンガのここがすごくいいというのが表現しづらい。なので、このマンガに詰められた話の醸し出す雰囲気とその総和としての本が纏う不思議空間がすごく好きなのだと思うことで今は納得している。うまく言えないけれど、このマンガすごくいい。

『おいしい毒味』

 ついでながら、『購買のプロキオン』を買った書店の店頭で『購買』と一緒に並べられていた同じ作者の手になる同人誌で、毒味役を付けられた主人公とその毒味役の2人を描いた『おいしい毒味』もおもしろかった。作者も後書きで言及しているけれど、この話が『購買』に収められていても全く違和感がない。というより、むしろ入っていないのが不思議なくらいなので、合わせて読むと『購買』の不思議時空がほんのり広がるかも。

【出典】
・ふかさくえみ 『購買のプロキオン』 新書館<ひらり、コミックス>、2013年
・ふかさくえみ 『おいしい毒味』 同人誌、2012年

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