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2014/02/11

こんな教科書がほしかった! 徐々に国らしくなってゆく少女たちによる妖精の国の物語。 高田慎一郎『少女政府 ベルガモット・ドミニオンズ』第2巻、第3巻

『少女政府 ベルガモット・ドミニオンズ』第3巻と第2巻

 世界の各地から妖精たちの住む国ベルガモットへとさらわれ成り行きで為政者となった少女たちの物語も、3巻になると公共施設を作ったり娯楽の場を用意したり国外へ目を向けたりとだいぶ一国の政治家の話らしくなってきた。

 3巻を読もうとしたところ話が繋がらなかったので積ん読を漁ったら未読の2巻が出てきたことはさておき、天災や疫病に見舞われたり、主人公であるななこにとってベルガモットでの最初の友人であるソフィアの秘密が明らかになったりする2巻を経て、3巻では医療施設や教育施設を作って住民である妖精たちの生活水準を底上げしようとしたり、メイドカフェを作って働きづめになっているななこたちの息抜きを図ったりする。さらに3巻の後半では外界=ななこたちが元いた世界との思わぬ接触があったりもするが、それがどんな結末をもたらすのかは4巻への持ち越しとなる。
 ななこを始めとした少女たちが中学の教科書や各々が持っていた知識を活用し、試行錯誤しながら課題や問題を解決して国作りをする姿は微笑ましくあると同時に、普段どれだけ自分が国政どころか地方自治にも目を向けていなかったかに気づかされる。このマンガが中学校や高校のときに教科書として使われていたら今頃もっと政治に関心があったのに、というのは単なる言い訳だろう。また、経済学にも心理学にも疎いので適当に言うけれど、メイドカフェで描かれていたような人が集まるところに需要が生まれ雇用が生まれる様子はまさに経済が回り始めるさまを端的に表しているし、安全な住処の確保や職への従事など妖精たちの生活が段階を追ってレベルアップする様子はマズローの欲求段階説を体現しているようで非常に興味深い。そういう意味でもこのマンガが大学で経済学や心理学の教科書として使われていたらと思うと残念でならない。

 ところで、3巻までで、ななことソフィア、プリシラと台鈴、ターニャと圭夏、クリスティナとマリア、という組み合わせが明確になってきたけれど、ベルガモットへ来た少女は全部で11人だから最終的には1人余るよね?

【出典】
・高田慎一郎 『少女政府 ベルガモット・ドミニオンズ』第2巻、ほるぷ出版<メテオCOMICS>、2013/8/20発行
・高田慎一郎 『少女政府 ベルガモット・ドミニオンズ』第3巻、ほるぷ出版<メテオCOMICS>、2014/2/20発行
少女政府 ベルガモット・ドミニオンズ - COMICメテオ→第1話と最新から2話が公開されている。
休日のベイルアウト→作者のサイト。

【関連記事】
俺たちと一緒に妖精の国へ来て独裁者になってよ! 『少女政府 ベルガモット・ドミニオンズ』第1巻

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