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2014/01/09

セーラー服のあの子は今日もラジオ体操に合わせて踊る。 つちのこ準星群『ラジオたいそう』

『ラジオたいそう』

 ラジオ体操するセーラー服の女子中学生をただただ眺めるマンガがサークル「つちのこ準星群」の『ラジオたいそう』だ。

 ラジオ体操観察者の朝は早い。
「朝の静謐な空気の中で彼女が来るのを待つ。僕の中でラジオ体操はもう始まっているんです」
 そう語る彼の表情はどこか誇らしげだ。それもそのはず、彼こそは10年間欠かさずにラジオ体操を続ける彼女を10年間欠かさずに観察してきたプロのラジオ体操観察者なのだから。
「正直、真冬の朝は寒さでくじけそうになるときもあるけれど、まあ好きで始めたことだから(笑)」

 という嘘っぽい導入はさておき、このマンガはとある少年が公園でラジオ体操をする女子中学生を見かけ、その一挙手一投足をつぶさに観察する話だ。セーラー服の女子中学生がラジオ体操第一から第三まで、楽曲に合わせてひたすら体操する。誰に強制されるでもなく、自ら率先して体操する。そこにはお年頃の少年少女にありがちな気怠さなど微塵も感じられず、彼女はあくまで伸びやかに健やかにラジオ体操をする。
 そんな彼女の姿にどうして少年の心が捕らわれたのか。それはマンガの表紙を見るだけで自ずと理解できるだろう。手を横に広げていかにもラジオ体操中といった感じのセーラー服の少女がこちらを見ている。そう、セーラー服である。学校指定のだっさいジャージではない。ブレザーの制服でもない。セーラー服である。しかも布地の薄い夏服である。布地が薄くて軽い夏用のセーラー服を着た女子中学生が公園という公共の場でラジオ体操をしている。そんな場面に出くわしたら彼女のラジオ体操を見ずにいられるだろうか。しかも作中ではセーラー服の裾から、袖口の隙間から、舞い上がったスカートから、見えてはいけないものがチラリチラリと見えている。そんな事実に気づいてしまったら彼女のラジオ体操を見ずにいられるだろうか。少年がラジオ体操をする彼女の姿に見とれたとして誰がそれを責められよう。なお、自分なら草むらの陰からのぞき見るなんてことはせずに堂々とラジオ体操に混ざり、セーラー服の女子中学生がチラリチラリする姿を合法的にガン見するだろう(←この人です)。

 このマンガには主人公たる少年の他にもラジオ体操をする女子中学生を観察する者がいる。ラジオ体操を10年続け、もはやプロのラジオ体操選手と言っても過言ではない彼女。その彼女がラジオ体操を始めるきっかけを知っている彼は言うなればプロのラジオ体操観察者だ。彼は彼女に干渉することなく、来る日も来る日も彼女のラジオ体操する姿をただただ眺める。何も足さない。何も引かない。某化粧品が精製される様子を1滴1滴見守るようにラジオ体操するセーラー服の女子中学生を見つめる。そんな彼はだが饒舌に語る。黙々とラジオ体操をする彼女を代弁するかのように語る。その姿は親友の熱いファイトを解説するテ○ーマンを彷彿とさせる。
 そしてそんな彼だからこそ、セーラー服の女子中学生がラジオ体操第三に込めた想いに気づくことができた。作中ではラジオ体操第三は町内の誰も振り付けを知らないことになっているが、彼女はそれを逆手にとってラジオ体操第三にある仕掛けを施した。彼女は何も言わない。だが、彼女の代弁者たる彼はあることに気づく。それが何なのかは是非マンガで確かめて欲しい。

 セーラー服の女子中学生が伸び伸びと楽しそうにラジオ体操をする。それがどれだけ可憐で尊いことか気づかせてくれたという意味で『ラジオたいそう』は画期的なマンガだ。
 ところで、『ラジオたいそう』はラブコメの匂いを醸し出したところで物語が終わっている。続きが気になった場合は作者のtwitterに要望するとよいそうだが、もし続きが描かれることがあったならセーラー服の女子中学生には「なのはな体操」もして欲しいと思った。なのはな体操を踊るセーラー服の女子中学生はきっとかわいい。

【出典】
・よしづきくみち 『ラジオたいそう』 つちのこ準星群、2013/12/30発行
つちのこ準星群→サークルのサイト

~「なのはな体操」とは?~
落花生と菜の花で有名な某県が作った県民体操で、小中学生時代を某県で過ごした人は誰でも踊れるらしい。
なのはな体操 - Wikipedia

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