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2014/01/25

骨の髄まで愛してる、もとい、ぱんつのゴムまで恋してる。 深山おから『俺のぱんつが狙われていた。』第1巻

『俺のぱんつが狙われていた。』第1巻

 好きになった相手のぱんつを欲しがらずにはいられない。そんな特殊性癖を持った女の子と、その女の子にぱんつを狙われる男の子と、その男の子が想いを寄せている女の子とのトライアングル・ラブコメディである『俺のぱんつが狙われていた。』、その1巻が遂に登場した。ここ半年ほど月刊誌での連載を楽しく読んできたけれど、単行本としてまとめて読むとこのみちゃんもひいろちゃんも村上くんも思うようにいかない恋に悩み悶える姿がかわいくて仕方がない。新連載として始まった頃から単行本になるのを今か今かと穿き古してすっかり伸びきったぱんつのゴムのように首を長くして待ち続けていた甲斐があった!

 「今日のぱんつは何色ですか?」と尋ねられた経験があるだろうか。少なくとも自分にはない。だいたい世の男なら当然ないだろうと思う。ぱんつの色を尋ねると言えば、「げへへへへ……姉ちゃんぱんつ何色?」と無差別にかけた電話でおっさんが姉ちゃんに対して行うものと相場が決まっている。じ、自分はそんなことしないよ!? だいたい知らない姉ちゃんのぱんつの色なんて知ってどうするというのだ。実はおっさんは衣料品メーカーのマーケティング担当か何かで、ぱんつの流行色を調査する人なのではないだろうか(メーカーの人に謝れ)。
 ところがである。『俺ぱん』では主人公の少年がヒロインの少女に「今日のぱんつは何色ですか?」(p.36)と質問される事案が発生する。連載でその回を読んだとき、以下のようなツイートをしていた。

 ……悶絶していたらしい。

 また、事案はこれだけではない。そもそもこのマンガは主人公の少年・村上くんはヒロインの少女・このみちゃんに「私にっ/村上くんのぱんつをください!!」(p.4)という愛の告白を受けるところから始まっている。一体どこの誰が好きだからぱんつをくれという告白を受けたことがあるだろうか。少なくとも自分にはない。そもそも告白自た……それは置いておくとして、普通であれば誰もそんな経験はないだろう。なお、連載でその回を読んだとき、以下のようなツイートをしていた。

 ……薄い本があったようだ。

 しかし、村上くんはこのみちゃんからそんな変態チックな告白を受けた。村上くんには想い人がいる。その娘は同じクラスのひいろちゃんというおさげ女子。同じ小説を読んで同じ場面を好きと言ってくれる女の子。そんな彼女との少女マンガのような理想的な恋愛をすることが村上くんの望みだ。村上くんは隠れ少女マンガファンである。少女マンガに描かれているような理想の純愛をひいろちゃんとすることを思い描いている。
 だが、そんな少女マンガ的な恋愛を体現していたのはこのみちゃんの方だった。このみちゃんは大好きな村上くんのぱんつを手に入れてそのぬくもりに顔を埋めずにはいられないという変態性癖の持ち主である。いや、性癖というのは語弊があるかもしれない。このみちゃんは自分の変態性を認識していて、直したいと思っている。村上くんのぱんつを欲しがるというやっかいな癖を直して村上くんと普通の恋愛をすることを切望している。それなのに、村上くんへの想いが高まるとトランス状態に陥り、このみちゃんはいつの間にか村上くんの家のベランダに忍び込んだりズボンを脱がすことなくぱんつだけかすめ取ったりする。そこにはこのみちゃんの意思は介在していない。このみちゃんはまるで空気を吸うように村上くんのぱんつを欲し、時間操作の魔法でも使えるかのように村上くんのぱんつを奪う。それはもはや性癖などという単純な言葉では表せないものだ。

 そうして物語は動き出す。村上くんはこのみちゃんの恋の告白を受け、好きになった相手のぱんつを欲しがるという衝撃の告白を受け、その少女マンガに描かれるヒロインのように健気に、一途に自分を想う気持ちを知るにつけ、このみちゃんに仏心を出した。このみちゃんをこっぴどく振って自分に近づくことを拒絶することもできただろうに、村上くんはそうしなかった。このみちゃんの表情が自分に対する感情に合わせてくるくる変わるから。このみちゃんが好きなのは決してぱんつだけではないと思い知ったから。このみちゃんとなら自分が想像しているような理想の恋をすることができるのではないかと思わせられてしまったから。このマンガ随一の乙女キャラである村上くんの琴線にこのみちゃんが触れてしまったから。村上くんと普通の恋愛をしたいがために性癖の発現を必死に押さえ、あくまで普通に接しようとするこのみちゃんの姿を村上くんがいじらしいと思ってしまったとして誰が責められようか。
 そんな村上くんだから、このみちゃんも、そしておそらくひいろちゃんも村上くんのことを好きになったのだ。

 それにしても、こんなに男物のぱんつが大量に描かれたマンガも珍しい。ページを捲ればぱんつぱんつの大嵐。それが全部男物。全部村上くんのぱんつ。しかもブリーフでもなければ今をときめくボクサーパンツでもなくトランクス的なぱんつ。マンガの中でこんなにトランクスを見るのはボールを7つ集めるとドラゴンが現れて願いを叶えてくれちゃう某バトルマンガ以来ではないだろうか(注・あちらのトランクスは非ぱんつです)。
 物語が進むにつれて男物のぱんつの露出が増える。
 物語が進むにつれて少しずつこのみちゃんが村上くんを好きになったきっかけが明らかになる。
 物語が進むにつれてもう1人のヒロインであるひいろちゃんが2人に対して複雑な感情を抱くようになる。
 このみちゃんの普通の恋に焦がれるぱんつな恋を応援しても、ひいろちゃんとの少女マンガの王道のようなキラキラした恋を応援してもどちらかが泣くことになるのなら、いっそぱんつの応援でもした方がいいのだろうか。そう思わなくもないけれど「ぱんつを応援」の意味がわからないので、ひいろちゃんのお友達でなにかとひいろちゃんと一緒にいるツインテちゃんの百合恋を応援しようと思う。
 あれ? もしかして『俺ぱん』って村上くん、このみちゃん、ひいろちゃん、ツインテちゃんの四角関係なのでは?

【出典】
・深山おから 『俺のぱんつが狙われていた。』第1巻、アスキー・メディアワークス<電撃コミックスNEXT>、2014/1/27発行
kirazu→作者のサイト。

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