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2013/09/01

「よろしくおねがいしまぁぁぁす!!」の台詞で有名な某アニメ映画の主人公がヒロインに披露した特技は、ズバリ、何でしょう? 『ナナマルサンバツ』第6巻

『ナナマルサンバツ』第6巻

 『ナナマルサンバツ』6巻はますます白熱する麻ヶ丘例会のクイズバトルに反比例して深刻なラブコメ不足に陥っている。と思っていたら、今巻で表紙を飾った部長たちにちょっと気になる関係が出てきたよ?

 バラマキクイズの様式美。そう言われて思い当たることがある人はおそらくそこそこ年齢の行った人なのではないかと思う。もう大分前のこと、学生の時に所属していたサークル「文藝部」では毎年夏に合宿と称する泊まりがけの旅行をしていたが、ある年の合宿でバラマキクイズをしたことがあった。文藝部の活動とは特に関係なく、とある先輩の思いつきで催されたものだったが、しこたま飲んだ翌日の午前中とあって参加者はそんなにいなかったと思う。そこでもあのカードは入っていた。回答者を絶望の淵に叩き落とす、にっくきあのカードが。

 4巻から続く麻ヶ丘女子での例会編3冊目に当たる6巻では、バラマキクイズを含めて3種類のクイズ形式が競技者である中高生を悩ませている。そこでは、クイズ形式を即座に戦略にまで落とし込むために理解力と柔軟性が求められるのもさることながら、そもそものクイズを解くための知識、推理力、応用力、またクイズに立ち向かう集中力を持続させるための精神力と体力、そしてクイズの引きを左右する時の運とあらゆる要素が中高生たちに求められる。そうして、時間制限や他の競技者の進退というプレッシャーを退け、切迫した状況にもパニックになることなく冷静に記憶をたぐり寄せ思考し答えを導き出すことのできる肝っ玉を持った者だけが、勝者という栄冠を掴むことができるのだろう。
 また、6巻ではトリックスターとしての本領を発揮した女装中坊と開眼した糸目部長のリング外での師弟対決も見逃せない。2人の少年がまさに青春と言わんばかりに想いをぶつけ合うさまを見ていると、麻ヶ丘女子のクイ研部員たちが糸目部長×女装中坊の薄い本を大量生産するのも無理がないと思わせる。越山×御来屋のヘタレ攻めにツンデレ誘い受けと二大巨頭になる日も近いのではないだろうか。
 そういった勝負の行方と青春の行方がとても気になる例会クイズ大会、その最終章となる7巻がとても待ち遠しい(6巻と同じ引き)。

 ところで、『ナナマルサンバツ』の作者は長野の田舎を舞台にAIとのガチンコ勝負と憧れの先輩とのひと夏を描いたアニメ映画『サマーウォーズ』をコミカライズしているが、6巻にはそのことを知っていると思わずクスリとするような展開があり、両作品を好きな者としては嬉しい一面だった。

【出典】
・杉基イクラ 『ナナマルサンバツ』第6巻、角川書店<角川コミックス・エース>、2013年
いくら亭→作者のサイト
ヒートアップするガチクイズ勢と鳴りを潜めるしましまぱんつ、『ナナマルサンバツ』第5巻→5巻の感想。6巻では対策がされていてちょっとがっかり(?)。
君の知らないクイズの答えをみんなで探すからクイズは楽しい。 杉基イクラ『ナナマル サンバツ』第7巻→7巻の感想。(2013/12/28追記)

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