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2013/09/17

誘因突起はアホ毛の新たな進化型なのか? 尾びれにコンプレックスを持つチョウチンアンコウ人魚のアンコさんが誘因突起かわいい! 『深海魚のアンコさん』第1巻

『深海魚のアンコさん』第1巻

 ただの人間の女子高生である若狭乙見は変態的ともいえる人魚好きで、そのマニアっぷりには同級生からも一目置かれている。そんな彼女のお気に入りの人魚が友人でもあるチョウチンアンコウのアンコさんで、頭にはそのことを示すアホ毛ならぬ誘因突起が生えている。『深海魚のアンコさん』は人魚の受け入れが盛んな町を舞台に、若狭とアンコと2人が巡り会うさまざまな人魚たちとの日々を描いた「異文化交流人魚コメディ」だ。

 チョウチンアンコウの人魚であるアンコは額に生えた電球のような誘因突起で他の人魚を惹きつけ(時には若狭も惹き寄せ)、あるいは光らせて撃退する。闘魚という熱帯魚の人魚であるだけに派手な外見を持つベタ子はアンコさんに何かと突っかかっては単にかまって欲しいだけのツンデレ人魚である。好きな人の前に出ると意図せずローションプレイに走る蒲谷木うなはニホンウナギの人魚で、興奮するとミルクが出ちゃう平スズメはディスカスの人魚だ。
 という感じに、熱帯魚から深海魚まで多くの人魚が尾ビレを足に変化させて人間の姿になり、女子高生として高校へ通っているが、彼女たちは魚だった頃の外見的特徴を留め、その特性も持ち続けている。この「魚としての特性」の使い方が巧妙で、時に変な誤解を招いたり妙な事件を巻き起こしたりするが、年頃の女の子らしい悩みとして発露することもあり、それがこのマンガのおもしろさを引き立てている。

 そして見過ごせないのは人魚がすべて女の子であることだ。チョウチンアンコウの雌雄が融合するというくだりがあるため男の人魚もいるのかもしれないが、今のところ登場した人魚はすべて女子高生だ(あ、養護教諭が1人いた……)。そして、主人公である若狭は重度の人魚好き女子高生として描かれている。つまり、このマンガは人間と人魚、人魚と人魚の百合マンガでもあるのだ。だから「尾ビレ見たい」「それは人魚的にセクハラだから」という若狭とアンコのやりとりはかなり仲の進展したカップルの日常の囁き合いみたいなものと解釈することができる。たぶん。人魚が歌声で人心を惑わすという言い伝えも、チョウチンアンコウの人魚であるところのアンコさんが若狭や他の人魚をその誘因突起で魅了してゆりんゆりんすることが伝言ゲームで広まった結果に違いない。たぶん。

 ところで、『深海魚のアンコさん』のカバーがざらざら加工になっているのはアンコさんのアンコウ肌を再現しているからですかね?

【出典】
・犬犬 『深海魚のアンコさん』第1巻 ほるぷ出版<メテオCOMICS>、2013/9/12発行
深海魚のアンコさん - COMICメテオ→今なら単行本の続きの第9話から読める。

【関連記事】
様々な特徴を持った人魚たちのそれぞれの日常。 犬犬『深海魚のアンコさん』第2巻(2014/3/18追記)

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