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2013/08/23

運命的な出会いから1年、再び巡った桜の季節で2人は……? やる気のない有能男子×小悪魔的な男の娘のラブコメ『プラナス・ガール』完結第6巻

『プラナス・ガール』第6巻

 成績優秀でスポーツ万能、家事も得意だけど唯一やる気だけがない男・槙と、自称「男の子」で何かと槙に接近してはイチャイチャしようとする女装っ子の藍川絆。その2人を中心にガチ百合や双子の姉弟という性別や禁忌を越えたカップルまで登場する、一風変わったラブコメを描いてきた『プラナス・ガール』が6巻を以て完結した。まあ振り返ってみたら、槙と藍川は第1話でキスまで済ませているし、第6話では同衾で朝チュンを迎えているし、槙にとっての障壁は「藍川が男の子」というただその1点だけだったし、うん、まあ、何というか、爆発しろ。

 結局のところ藍川は本当に男なのか? とか、藍川の生えてない疑惑など数々の謎が残っていると言えば残っている。しかし、そんなことは実に些細なことで、藍川が男の子だと言えば藍川を信じる限り藍川は男の娘だし、生えていないと思えばまだ生えていないのだ。槙は最初こそ藍川が男か女かを確かめようとしていた。それは単に槙自身の目に映った現象、女装した藍川がどうみても女の子にしか見えないことから目を疑っていたというだけで、藍川の「ボクは男の子だよ」といったその言葉が信じられなかったのではないだろう。そういう意味で槙は一貫して藍川を信じていたし、その根底には好きだから信じるという下心もあったに違いない。一方で藍川もそんな槙の好意と信頼に最初から気づいていたからこそ槙に甘え、籠絡しようとしたし、小悪魔的な言動の裏に何としても槙の方から言わせたいという可憐な女心(男心?)を秘め続けていたのだろう。下心ありありなのに肝心なところでへたれであるため一線を越えられない純情男子な槙とそんな男心を知った上で喫水線の駆け引きを楽しむ女装男子の藍川、そして2人を生暖かい目で見守りつつも各々胸中に抱いた想いに忠実に生きる同級生たち。『プラナス・ガール』のおもしろさはそんな槙や藍川たちが作る人間関係にあると思う。
 また、本作は最終回で第1話の合格発表と同じ季節を迎え、槙と藍川の物語は1年経って同じ場所へ戻ってきたが、2人の関係や想いが1年前と全く同じではないことを示すココロニクい演出がなされている。こういう「最初と同じ場所、同じような場面だけれど、成長していたり関係が変わったりして最初と何かが違う、螺旋構造を持つ物語」が自分はとても好きだ。つまり、『プラナス・ガール』はとてもおもしろい。

 ところで、ジャケットをめくると登場人物たちのその後が書かれているけれど……のんちゃんが! のんちゃんが! 『プラナス・ガール』3人目のガチ百合キャラ・のんちゃんの大学生活を描いたスピンオフはよ!

【出典】
・松本トモキ 『プラナス・ガール』第6巻、スクウェア・エニックス<ガンガンコミックスJOKER>、2013年

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