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2013/04/23

姉の心臓を持ち逃げしたヤンデレ妹を尋ね、生と死のあわいを歩む魔女としゃべるランタンの珍道中は今日も続く。『魔女の心臓』第2巻

『魔女の心臓』第2巻

 心臓を失ったことで不死となり合法ロ……少女の姿を留める魔女のミカと、キスの魔法が解けるとイケメンになるしゃべるランタンのルミエール。その2人(?)が姉を愛するあまりその心臓を持ち去ってしまったヤンデレの妹を追って珍道中を繰り広げる『魔女の心臓』は2巻もやっぱり珍道中だった。

 このマンガをおもしろくしているのは決して人間をきれいごとだけでは描かないところだと思う。1巻でもある少女は非業の死を遂げ、また別の少女は願いを果たしてその命を全うしているが、2巻でもある者は魔女の餌食となり、またある者は自らの命運を懸けて無残にも散っている。500年も生きていれば人の死に様になど慣れっこになっているのでは、というのはまさに下衆の勘繰りで、ミカはその死に接する度に涙を流す。500年生き続けて人の世のままならなさを嫌というほど知っているからこそ、その涙でせめてもの餞を送ろうとしているのか。それとも単に実年齢が500歳超だから涙腺が緩くなっているだけなのか。おっと誰か来たようだ。
 逆に、それだからこそ喜ばしい出来事がよりいっそう映えて見える。いつかの旅路で出会ったツンデレお姫様との再会や種を超えた恋バナを通じてミカが見せる笑顔は、彼女が果てしない旅に未だ絶望してはいないことを示している。何と言っても、デフォルト無表情なミカが時折覗かせる笑顔ほどいいものはない。不死の魔女とランタンが珍道中の行き着く先で、ミカは最期にどんな笑顔を見せるのか。続きの旅行記が今から待ち遠しい。

 500年の時を生きる「死ねない存在」が行く先々で限りある生を持つ人々に巡り会いその生と死に触れる、というわりと重いテーマを描いているにもかかわらずどこか滑稽なのは、ひとえにミカたそのドジっ娘気質のおかげでしょう。あ、なんかランタンが抗議の声を上げている気がする。まったく、コメディ担当の残念イケメンのくせに口の減らないランタンだね!

ありがとうございます! ありがとうございます!

 脈絡もなく2巻のハイライト。我々の業界ではご褒美です。ところで、1巻の巻末でもネタになっていたけれど、よく見るとこの子ぱんつ穿いてな(以下略)。

【出典】
・matoba 『魔女の心臓』第2巻、スクウェアエニックス<ガンガンコミックスONLINE>、2013年
魔女の心臓 - 漫画 - ガンガンONLINE -SQUARE ENIX-

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