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2013/04/15

橘高校料理研究部の部室は家庭科室じゃなくて異世界!? 『放課後のトラットリア』第1巻

『放課後のトラットリア』第1巻

 誰もが一度は夢見る異世界トリップもの×女子高生がきゃっきゃうふふと料理を研究する文化系部活もの? な『放課後トラットリア』。3ヶ月寝かせたそれは多分寝かせなくても十分おもしろかったと思う。

 テストや勉強のない世界に行ければいいのに、きっとそこへ行けば(根拠もなく)英雄になれるのに、と夢想したことのない人はいないと思う。最近ではそういう空想(妄想?)をすることは「中二病」の一言で片付けられてしまうことも多いが、剣と魔法のファンタジーの体をした異世界へ旅立つ物語には曰く言い難い魅力がある。

 『放課後のトラットリア』もそんな異世界トリップものだ。入口は家庭科室のオーブン、旅立ったのは料理研究部に所属する4人の女子高生、辿り着いた先は獣耳を持つ人間やそれこそ人型の犬や猫が闊歩する絵本のようなファンタジー世界。このマンガが他と一線を画すのは女子高生たちが勇者として召喚されたのでも(今のところは)なりゆきで世界を救う運命を背負わされるのでもなく、単に客人として過ごすのでもなく、あくまで料理研究部という看板を掲げて縁もゆかりもない異世界で自分たちの居場所を確保しようとすることだろう。自分たちの世界へ帰れるか帰れないかはわからないけれど、それまでに培った料理の腕や知識、あるいは勉学を通じて育んだ知識や知恵、そういったものを4人がそれぞれの得意分野で奮い応用し、また補い合うことで、異世界に自分たちの世界を少しずつ広げていく。作中で過去にも異世界からの客人があったらしいことが言われているが、なぜ言葉が通じるのかから始まって、政治やその体制、経済活動が似通っているのも、4人と同じようにかつて4人が元いた世界からやってきて4人と同じように異世界に自分たちの世界を作り上げ溶け込ませた結果だからではないか、そう思わずにはいられない。

 料理研究部の4人、くいな、京湖(みやこ)、あやめ、はるかが異世界でどう生きるかも楽しみだけれど、料理研部長であるあやめと異世界の為政者であるエルスタインとの問答や、くいなと京湖の百合ップルの今後にも注目していきたい。

ベルちゃんもふもふしたい

 えー、ところで4人が異世界で仲良くなったメイドのベルちゃんのお耳をもふもふしたいので自分も異世界に旅立ちたいと思うのだけれど、どなたか入口を紹介してくださいませんか?

【出典】
・橙乃ままれ原作・水口鷹志作画 『放課後のトラットリア』第1巻、ほるぷ出版<メテオCOMICS>、2013年

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